那智盤歩

アルセーヌ・ルパンシリーズについて書いていきます。

「813-1910年連載版-」紹介

こんにちは。

今回は「813-1910年連載版-」(連載版)を紹介したいと思います。
813は言わずと知れた?アルセーヌ・ルパンシリーズの1作。
日本では「813/続813」(単行本版)として知られています。
さて、この813ですが、新聞連載の内容と単行本の内容が大きく異なっています。
序盤だけをみても、連載版の第二章「ルノルマン氏、戦闘を開始する」の後半部分が単行本版ではバッサリとカット。第三章「セルニーヌ大公の策略」に至っては内容そのものが大幅に異なります。
それはその後の章でも同様で、カットされたエピソード、丸ごと書き直されたエピソードが山のように出てきます。
それが最終盤まで続きます。

 

内容が少し異なるだけでしょう? いいえ。下記のグラフを見ていただければ分かるとおり、連載版は単行本版よりも文字数が大幅に多くなっています。(※邦訳はどちらも拙訳で比較しています。)
逆に言えば、単行本化に際し、大幅にカットされています。

脇役たちの出番が多かったり、単行本版には影も形もないキャラクターも何人か登場します。
モーリス・ルブランの執筆した未知のエピソードが読める嬉しさ。
単行本版では影の薄かったあのキャラクター、このキャラクターの感情の動きや思考を、ルブランの筆で読める楽しさ。
単行本版を知っているからこその、ドキドキ感が存分に味わえる作品、それが連載版だと思います。もちろん単行本版を知らない方でも楽しめる作品です。

 

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